エリスエンドは良かったけど、あまりにも強引な展開で非難囂々みたいです。
まあ確かに浩樹のエリス対する葛藤みたいなものが全く描かれていなかったので、なんで最後にエリスに走ったかは不明ですよね。
でも僕自身はこの最終回を楽しめたし、(いくつか引っかかるところがあったにしても)良かったと思いました。
おそらく僕は頭の中で勝手に浩樹の気持ちを補完していたのでしょう。
霧とデートしながらも、本当はエリスが気になってしょうがない筈だ!とか、エリスが独りで海外に去ってしまうのは耐えられない筈だ!、とか。
これはなにかというと、ギャルゲーをやるようにこのアニメを見ていたという事です。
浩樹はギャルゲーの中の顔のない主人公にそっくりです。やたら周囲に流されるし、何を考えているか分かりません。でもギャルゲーの主人公はそれでいいのです。プレイヤーは攻略対象のヒロインを既に決めてプレイをしていますので、その文脈においては、主人公のいかなる行動も、全ては目的のヒロインと結ばれるに至るまでの迷いや葛藤として読み取れるからです。
僕は最初からエリスルートとしてこのアニメを見ていました。僕の中では浩樹の心はエリスルートまっしぐらでした。一方で、霧も浩樹の心にエリスがいるというのを知っていて、それでも彼と付き合うという葛藤を抱えた存在でした。従ってラストは落ち着くべきところに落ち着いた、という感じです。
逆に霧ルートとして見ていた人たち、あるいはニュートラルに恋愛ドラマとしてこのアニメを見ていた人たちにとっては、ラストの主人公の行動はあまりにも唐突で意味不明でしょう。
そういう意味で、このcanvas2はギャルゲーを極めて忠実にアニメ化したと云えるかもしれません。
それが正しいアニメ化の姿かどうかは別として、ひとつのチャレンジだとは思います。
ただこのようなアプローチを取るのであれば、もっと早めにエリスルートである事を明確にしておいた方が良かったもしれません。主人公の気持ちを直接描かずとも、周囲の登場人物を通して、エリスルートである事を視聴者に伝える事は可能でしょう。なかなか結ばれない主人公とヒロインという物語は、定番ではあるけれど、説得力があります。
逆にエリスエンド・霧エンドどちらになるか最後になるまで分からない、というスタンスであれば、もっと浩樹の揺れ動く心・葛藤を描写する必要があったでしょう。
ということで、僕個人的には結構楽しめたcanvas2ですが・・・最後に二つだけ突っ込ませてください。
美咲菫の歌は唐突です! あれじゃギャグにしか見えないと、DCSSのことりの時も云ったじゃないですか。
藤浪朋子の死亡&復活エンドは完全に蛇足。意味不明。趣味が悪い。
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